ダイエットにおいて目標がきっちり立てられていないと途中で断念する可能性が高くなってきます。
目標というのは、「1年後に体重を10㎏減らす」というように、期間と数字をもって、具体的なゴールを設定する事です。

そうすれば、初期・中期・後期と逆算で組み立てる事が出来るようになり、
フェーズ毎に必要な事が何か?が解ってきます。

目標が高すぎるというのは、「2か月で10㎏減らす」というような、かなりハードな目標を立ててしまうことです。

ですが正直な話、1日断食したら単純計算で1日で約1.2㎏は体重が減りますので、断食を約9日間行えば簡単に目標をクリアできます。

簡単ですね。(笑)

せっかくなので、頭の中だけでも断食している自分を想像してみましょう。

あなたは約9日間、食事を一切摂らない生活を実行します。
1日も経たず、空腹状態が襲ってきます。
お腹が空いていると、子どものヒーロー・アンパンマンの代表的な言葉『お腹が空いて力が出ないよ…』が頭の中をグルグル駆け巡り始めます。

体重計に乗り、体重が1.2㎏減っていたので、嬉しさを胸に空腹状態でも心を強く持って寝床に付きやっとの思いで1日目をクリアします。
1日で体内の筋肉・内臓を分解し、タンパク質を300g失ったことも知らず…。

2日目から顔が濡れたアンパンマンのような状態で、仕事や家事に向き合います。
ですが、頭もボーっとして仕事や家事に身が入らず、いつものパフォーマンスの50%の力も出せず、ただ時計の針が早く進むことだけを願いつつ一日をやり過ごします。

3日目は頭痛や身体の動かしにくさを感じてくる頃でしょうか。

いながら食事をしている家族や同僚たちの姿を見て、あなたは頭の中で、怒りや羨ましいという念を込めて、アンパンチをその人たちに何発も繰り出していることでしょう。

ですが、あなたは顔が濡れてどうしようもなく動けなくなったヒーローと同じようなHPしか残っていないので、そのパンチの威力も羽で撫でられたくらいのものでしかないでしょう。
残念ですが、相手には一切ダメージを与えることが出来ていないでしょうね。

4日目以降、身体を動かすことや、きちんと判断しないといけないことがあっても、出来るだけ避けたい気持ちになっています。
もう、色々とやる気が無くなっています。
仕事をすればミスが増え、車の運転をすれば事故の可能性が高くなります。

 

さて、これ以上は危険です。
もう食べましょう。

断食をすると体内のデトックスが出来る?
断食をすると感覚が研ぎ澄まされる?
断食をするとむくみがとれる?

などなどメリットが謳われていますが、断食には大きなデメリットも存在します。
筋肉・内臓の破壊やその他組織の形成または再生が行えない状態になる。
ホルモンバランスの乱れ。リバウンドの危険…
など。


あなたはその身体をこれから何年使い続けますか?
5年?10年?…いやそれ以上使い続けますよね。
「少し身体に無理させただけじゃない?」「ちょっと食べないだけでしょ?」と思うかもしれません。

ですが、あなたが想像している以上に「食べない」という事は、身体にとってつらい仕打ちだということを忘れないでください。

一時の身体に対しての仕打ちが、何年も何十年もその後の身体の行く末を決めます。
カラダ改善は一過性のものでは解決出来ないのです。

一夜漬けで覚えた歴史上の人物の名前を10年後まで憶えていられますか?
それとは逆に、あなたが興味を持ち、楽しんで知り得た事は、いつまでも記憶の中に残っているはずです。

コツコツと積み上げて、楽しみながら、手にしたものだけがあなたの身体の財産になるんです。
ですが、勘違いして欲しくないのは、私は、断食をただ否定したいのではありません。
断食があなたにとってピッタリの方法である可能性だって、否定は出来ませんからね。
(断食をする際は、専門家の指導の下、正しいやり方で取り組んでください。)


断食以外のどんなことであっても、それによって体内で何が起こるか?を知ろうとしてください。

それを理解した上で《実行する・実行しない》をあなた自身の責任で判断することが、「本当に自分を大切にし、自信をつける」ということに繋がることだと思っています。

目標が高い事、そのチャレンジ精神は本当に素晴らしいことだとも思います。
ですが、私はカラダ改善を行う方には、カラダもココロも健やかな状態で身体と向き合ってほしいと願っています。

いきなり高い目標を設定し、それに合わせて体重をコントロールするのは、アスリートのやる事ですね。
アスリートの方々だって、それがいきなり出来るようになった訳じゃないですよ。
若い時から鍛錬を重ねつつ、それが自分の当たり前になっている感覚があるから出来る事です。

目標は半年から1年のスパンで設定し、一定期間で効果測定を行い、見直しをかけ、内容を更新していくことをおすすめします。
高すぎる目標は目標とは言いません。無茶です。

無茶な事は失敗する確率の方が高くなります。
だから普通に失敗します。

そして、セルフイメージを下げる事に繋がります。
なので、絶対に無茶はしないでくださいね。

今日のまとめ

高すぎるハードルはケガをするだけ。

まずは出来る事から。